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失血性の貧血

生理や大腸からの出血で起きる【失血性貧血】について

生理や大腸からの出血で起きる【失血性貧血】について

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貧血はどんな病気?

貧血というのは一番一般的で馴染みのある病気なんです。かんたんに言うと、血液が薄くなるということ。具体的に言うと、血液内の赤血球の中にあるヘモグロビンの分量が足りなることです。よくある病気なんですが原因はいくつかあります。再生不良性貧血などがあります。

失血性の貧血

日常一般的によく見つけられる貧血は失血による貧血です。失血とはどかに失われてしまったということです。具体的に言いますと、生理用ナプキンが高機能化したおかげで自分がどれだけ生理の時に出血が多いのかある意味でわからなくなっています。知らず知らずのうちに失血、つまりご自分の血液を失っていると言うことです。これは女性の場合です。では男性の場合はそういうことはないのかと言うと、男性でも女性でも共通してのことですが、消化管、とくに大腸から出血している。昔は胃から出血して貧血になることも多かったんですが、この30年で胃潰瘍からの出血は激減しました。あとは腸です。特に大腸からの出血、またはもっと下の肛門周囲から出血する場合があります。

こんな方はご注意!

  • 女性

  • 顔色が悪いひと

  • 全身倦怠感を感じるひと

  • 動悸、息切れを感じるひと

  • ​血便のあるひと

便中ヒトヘモグロビン検査

便中ヒトヘモグロビン検査は、便の中に人のヘモグロビンが混ざっていないかを検査します。ヘモグロビンが減っていくのが貧血。ヘモグロビンが便に混ざっていては困るわけです。しかもこれも一昔前、20年から30年以上前の便の中の鮮血反応というのは、牛肉食べても、豚肉を食べても、ハムとかソーセージでも、反応が便に出てしまったんです。しかし今は便の中の便中ヒトヘモグロビンが測定できるようになりました。これは大きな進歩です。要するに人間のヘモグロビンを検出できるわけです。前の日にレアなお肉をたらふく食べててもそれはほぼ出ません。

よくある貧血の誤解

そしてもうひとつ貧血の中で誤解されているのが、立ちくらみ、起立性調節障害と言いますけれども、それを貧血と表している場合もあります。患者さんのおっしゃってる言葉から我々は考えてチェックしますが、これは結構多いです。最近あまりないですが、一昔前だったら小学校の朝礼の時に貧血を起こして倒れたと言う場合はたいていは調節障害だったということが多く、本当にヘモグロビンが減ってしまっていたと言うことは少なかったです。

貧血の治療法

言ってしまえば簡単なんですが血液の元になるものを補ってあげる、主として鉄分とタンパク質です。それはあくまで貧血という状態を改善する方策です。それはあくまで貧血という状態を改善する方策です。その前に貧血の原因の部分を治療しておく必要があります。女性の場合は分かりやすいんですが、例えば子宮内膜症、あるいは子宮筋腫。それで子宮の内膜面が大きくなって、あるいは面積で言うと広くなって、そうすると当然出血する量は増えてくるわけです。毎月起こるわけです。毎月例えば80ccの血液を出血している方と240ccを知らないうちに出血してしまっていたという方ではもう断然違ってきます。これは血液検査の一部である特殊な検査項目とエコーです。お腹の上からエコーをあて子宮が大きくなっていないかをみると比較的かんたんに分かります。その治療が必要な場合は、貧血の治療とあわせて治療していくことが大事です。男性の場合、あるいは男性女性を問わず消化管(胃・腸)からの出血の場合はそれをもっと詳しく調べていきます。上部消化管内視鏡、全大腸内視鏡で調べて、憩室(=消化管の壁が消化管の外側に突出している状態)、ポリープ、悪い場合にはガンがあることが見つかれば、そこを治療していきます。ただしこの場合も貧血を治療しておく必要があります。

タンパク質と鉄分を補う

貧血の治療方法は鉄分とタンパク質の供給です。タンパク質は、ご飯から摂ってください。鉄分は食事から摂るのもいいんですが、ただ摂取が難しいから不足したわけです。それが食事から摂れて十分であるならば、そもそも貧血になりませんから、お薬で補います。飲み薬で補いますが、鉄のお薬、鉄剤です。森田医院では一番副作用の少ないリスクの少ない薬を使っています。それでも胃の不快な症状が出ることはすくなくありません。その場合はどうしても飲めない場合には鉄を静脈注射で補います。週に1回か2回づつ通院していただいて鉄を補います。

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